有効な手が打てないなか、コロナの混乱・社会不安は、あと2〜3年は続くと考えるようになった。
その間、企業のコロナ対策コストは増嵩、弊社も社内リソースを恒常的に割かなければならず、経営上無視できないものになってきている。
これまでのように、入れ替わりが多い派遣人材に業務繁閑の調整弁として依存することは、いつもコロナの脅威にさらされることを意味している。
特に仕事のピーク時、小さな所帯である当社では事業所全面封鎖の可能性があるクラスター発生を、何があっても回避するという前提に立てば、今後は正社員やアルバイト等の直接雇用の給与水準を上げて確保し、会社がコントロールできる高い質の人材範囲内で操業することを考えざるを得ないかと思うようになった。
海外労働者も入ってこず、人手不足が進行、派遣コストは高騰している。派遣人材についてはその不足がさらに顕在化する状況下と思っておることが起きており尚更もこの考えに今傾いている。
その際、当然コロナ対策としても省人化を目指し、作業の合理化、全自動化導入、社員のデジタル化教育研修強化=DX化のスピードを上げたい。
しかしながらこの理想達成へのハードルは高い。
考えてみると、日本の中小企業が脱皮できないのは、この構造にあるのではないか。
いくら我々のような中小企業が、正社員の質を上げ、全自動・機械化を進め生産性を上げようとしても、安い人手があるからそちらでやったほうがコストは安いという現実が存在する以上、仕事をもらっている大企業にはこの思いは通じない。
これが日本の生産性向上阻害要因になって、畢竟海外の生産性向上の勢いに負け、国全体の生産性は上がらないという悪循環に入っていると感じている。
ここでうちはドン・キホーテになるか。